昔の変形ロボットのお話4 - FLYING DRAGON

CHAMPION CROWNのお話をしたなら、
やはり避けて通れない
FLYING DRAGONのお話。


あれは香港返還前の1996年頃、
自分はまだ香港に住んでいました。

ある日
取引先の商社のお兄ちゃんが
社長と喧嘩した挙句、
勢いで退社して独立。


でも最初の頃は
右も左もわからなくて
会社として成り立ってなかった。

後に聞いてみると
事務所は構えたものの
収入がないので、
アルバイトしてたらしい。


そんなある日、
彼の事務所にいると
見慣れないセールスマンが
変形ロボットを持ってやって来た。

いまだに忘れないその商品の英語名

「SUPER ROBOT NO.1」


とりあえず少しでも
彼に仕事を落としたい自分は、

無駄にサイズばかりデカいボディ
変形とも呼べない裏返すだけのギミック
皆さんご存知の間の抜けたガン〇ムフェイス

を持つ、そのロボットを
オーダーすることに。


これが予想外に売れた (ノ゚ο゚)ノ

いま考えても
なんで売れたんだかねぇ σ(´Д` )

その後3年ほど
リピートを続けたくらいだから、
けっこう売れたんだと思う。


予想外の注文に
気を良くしたセールスマンは、
その後も彼の事務所に
新製品が出る度に
持ってくるようになった。

こちらもOEMのお仕事を持ち込んだり、
検品で中国の工場を訪れたりして
そこからしばらくは
新製品のファーストチョイスは
フライングドラゴン。


その頃
フライングドラゴンは
まだまだ小さい工場で、
最終的には1,000人超えた工員も
当時は200人くらい。

今じゃすっかり街になった
所在地だった中国深圳龍崗も、
当時は赤土の丘に
ポツリポツリと工場が点在する
未開発地域だった。


そこから3年ほど
仲良くやっていたんだけど、
ここでまた・・・


ある日香港トイショーに行くと
見たことのない変形ロボットが・・・
(デジャヴーじゃないよw)

ヒーロー「これ新製品? 良いね、発注するよ」
CC「それはもう売り先が決まってるから」
ヒーロー「海外は別に構わないよ、日本向けはウチにやらせてよ」
CC「日本は他の会社に任せたので」


またコレだよw

ちなみにここで言う「他の会社」は、
パチモン変形ロボ好きの方は
皆さんご存知「H社」。

オートバイがトランスフォームするアレねw


うんざりするくらい
同じ展開なんだけど、
ここまで色々お付き合いで買って
残したものもあるので、
頭にきてしばらくは
FDのものは発注ストップ。


そんな状況でも例のセールスマンとは
年に一度の香港トイショーで
挨拶くらいはしていて、
毎年のように

「どう商売は? Hはいっぱい買ってくれる?」

なんて嫌味に対して、

「ボチボチです」

なんて会話をしてた。


ある年の香港トイショー。

いつも通りの会話が進行するのかと思ったら、

「最近H買ってくれないんだよ」


なんだ仕方ねぇなぁ。
そういう事ならこっちの出番かw

黙って買ってやるのも癪なので
目いっぱい値切ったうえで
展示してあった変形ロボ
3点ほど即決で仕入れ決定w


そこからまた
お付き合いが始まり、
シーバトロン、アニバトロンという
定番商品につながっていく訳です。


そんなフライングドラゴンも
廃業して早数年。

そこら辺の事情には
まだ時効を迎えていないので
お話しできないアレヤコレヤが・・・

例のセールスマンは
業界から消え失せ、
FDの社長は
風の噂では悠々自適の毎日とか・・・


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